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森と水と土を考える会
2008年(平成20)の活動記録

 緑資源機構は解体されたけれど
 - 新たに「山のみち地域づくり交付金」創設 -

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2008年(平成20)の活動記録

緑資源機構は廃止されたけれど

それでも大規模林道工事は残った

独立行政法人「緑資源機構」(農林水産省所管)は、本年3月31日付けをもって廃止されました。ついに、緑資源幹線林道事業(いわゆる大規模林道)廃止かと思われたのですが、何のことはありません。旧機構の業務の大半は、林野庁所管の独立行政法人「森林総合研究所」の一部門として、「森林農地整備センター」と名称変更の上で存続することになりました。建物(現住所)職員のほとんどがそっくりそのまま引き継がれたようです。

大規模林道工事は、今後は道県(北海道および該当県)に事業が移管され、事業を継続すべきかどうかについては、道県ごとの判断にゆだねられることになります。

つまり「緑資源幹線林道事業については、独立行政法人の事業としては廃止し、来年度から地方公共団体の判断により必要な区間について補助事業により実施する」ことになりました。

そのため国は、幹線林道の整備に限った補助制度として、新たに「山のみち地域づくり交付金」を創設しました。つまり従来どおり、全体のほぼ7割を国から補助する仕組みを残しています。

広島県はどう対応する?(判断の先送り)

広島県当局の判断の推移を中国新聞記事で追ってみましょう。まず、7月31日付け記事では、細見谷林道の中止要望書を提出(7/30)した市民団体(森水の会を含む)に対して、「九月末までに緑資源機構が継続中か未着工だった細見谷を含む三路線五区間について、事業を引き継ぐかどうか判断したい」としていました。

9月12日付け記事でも、「判断材料となる資料を収集中で、今月末をめどに事業継続の是非を決めたい」となっていました。しかし、9月27日付け記事では、「来年度予算案の編成時をめどに方向性を出したい」として、翌年2009年2月に判断を先送りしています。しかし結局は、翌2009年度予算が計上されることはありませんでした。

中国新聞「社説」(2008年9月22日付け)は、「細見谷の林道計画」と題して「今のまま進めていいか」と疑問を呈し、「最も効果的な税金の使い道を地域が決めることができるよう、林業分野でも国から地方への財源の移譲が急がれる」と結んでいます。

森と水と土を考える会の活動

写真展(パート2)「すばらしき西中国山地・細見谷」

2005年(平成17)以来の写真展開催(9/1~7)です。14人の方の写真や絵画合わせて200点以上を展示しました。ビデオもお二人から提供していただきました。新聞各紙、テレビ各局で取り上げられ、入場者数2,000人近くに及びました。中国新聞記事(2008年9月2日付け)で、「細見谷渓畔林 命の息吹、中区で写真展、林道反対訴え」として紹介されました。

なお期間中に、大規模林道問題全国ネットワークの三回目の広島集会(過去2回、2001年と2006年)がありましたが、森水の会としては、写真展の方に注力しました。

十方山林道ウォーキング

今年も春(6/1)と秋(11/2)の二回実施しました。秋には、十方山林道の端から端まで(吉和西~山の神(祠)~ワサビ田~下山橋~水越峠~二軒小屋)約14.4kmを通して歩きました。しかし、現地で同行できる会員数は限られており、一般参加者を数多く募集することはむつかしくなりつつあります。また、今後再び道が荒れてくれば、四輪駆動でも伴走ができなくなるかもしれません。

植物調査も継続中

米澤信道さんが京都から久しぶりにお見えになって、一泊の植物調査(5/17~18)を行ないました。先生は体調も回復され元気いっぱいです。吉和側から入って調査をしました。いろいろな発見がありました。「やはりここは大変植物の豊かな所です。西日本随一です。破壊するのは許されない」、調査を終えた米澤先生のお言葉です。

受益者負担金助成の違法性を問う

公共事業で一定の利益を得る営利企業(個人)は、利益に見合う賦課金を支払うことになります。しかしながら、事業を円滑に進めるためという理由で、行政が賦課金と同額の補助金を当該団体に助成金として支出しているケースがあります。

例えば、大規模林道(旧緑資源幹線林道)事業に関連して、広島県廿日市市は、地元の西山林業組合(営利団体)が支払うべき受益者負担金を肩代わりしています。これを違法として、金井塚務・原告代表(広島フィールドミュージアム)が、廿日市市に監査請求をしていました。しかし、棄却されてしまいました。

これを受けて、同原告代表は「営利団体に対する受益者負担金を行政が助成すること(実質肩代わり)は違法」として、広島地方裁判所に提訴(11/12)しました。第1回の公判予定は、翌年2009年2月19日(木)です。

2008年年表

  • 2月3日(日)、森と水と土を考える会、総会
    (カトリック観音町教会・ヨゼフ館2階、広島市西区観音町)
  • 3月6日(木)、日本森林生態系保護ネットワーク、設立
  • 4月19日(土)、講演会「クマの棲む豊かな森を次世代へ」
    主催/日本熊森教会(広島県情報プラザ、広島市中区千田町)
  • 5月5日(月・祝)、長島周辺域調査
  • 5月6日(火・振替)、祝島調査
    主催(上記2件)/「長島の自然を守る会」
  • 5月17~18日(土・日)、細見谷植物調査、指導/米澤信道さん
  • 6月1日(日)、春の十方山林道ウォーキング
    (二軒小屋~下山橋~ワサビ田、往復)
  • 6月28日(土)、国際シンポジウム「救おう!森のいのち、考えよう!森の未来」
    主催/日本森林生態系保護ネットワーク(北海道札幌市)
  • 6月29日(日)、細見谷のビデオ撮り(秋の写真展用として)
  • 7月12~13日(土・日)、環瀬戸内海会議総会(第19回)
    現地報告、シンポジウム「「周防の生命圏」から日本の里海を考える」
  • 7月27日(日)、猪山、植林地の手入れ
  • 7月30日(水)、細見谷の大規模林道建設の中止を求める要望書、提出
  • 9月1~7日(月~日)、すばらしき西中国山地・細見谷 写真展(パート2)
  • 9月6~7日(土・日)、大規模林道問題全国ネットワーク広島集会
  • 9月20日(土)、広島医療情報研究会学術講演会
    一般演題/山本明正「自著を語る『細見谷渓畔林と十方山林道』」
    主催/広島医療情報研究会
    (KKRホテル広島、広島市中区東白島町)
  • 11月2日(日)、秋の十方山林道ウォーキング
    (吉和西~山の神(祠)~ワサビ田~下山橋~水越峠~二軒小屋)

その他記事など

  • 朝日新聞記事(2008年1月26日付け)
    山本明正著「細見谷渓畔林と十方山林道」(自費出版)
    自然環境・林道計画の問題点分析
  • 中国新聞・論説室から(2008年2月17日付け)
    「緑の回廊」
  • 毎日新聞記事(2008年5月14日付け)
    山本明正さん、「細見谷渓畔林と十方山林道」を出版
    大切な自然を残そう
  • 中国新聞記事(2008年5月23日付け)
    重機で河床を改変、吉和の細見谷川、サンショウウオ姿消す