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生物多様性

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生命の誕生と生物多様性

宇宙が誕生したのは、今から百数十億年前のビッグバンによるとされている。そしてその後、銀河系の誕生(天の川銀河系、120億年前)、太陽系の誕生(約46億年前)と続き、地球上に生命が誕生したのは約40億年前のことである。

一個の細胞が、海の中で合成された有機化合物からできあがり、海中で進化していった。やがて、それらは陸上にも進出して地球全体を覆うようになる。その結果、現在では少なくとも約3千万種の姿・形が異なる生物が、地球上のいずれかの地域に存在している。

生物の進化とは、生息域の拡大を伴う種の分化(多様化)といってもよい。しかしその過程で、数多くの種が絶滅していった。

生物多様性とは、「現在の生物がみせる空間的な広がりや変化のみならず、生命の進化・絶滅という時間軸上のダイナミックな変化を包含する幅広い概念」(EICネット:環境情報案内・交流サイト)としてとらえることができる。

遺伝子、種および生態系の多様性

種の多様性

生物多様性は、「遺伝子」、「種」、そして「生態系」の三つのレベルで考えられている。この中で、一般的に最も理解されやすいのは、「種」レベルの多様性であろう。「種」の総数そのものを指す概念といってよい。

ここで種(species)とは、「広辞苑」最新版(第六版2008年)から引用すると、「生物分類の基本単位。互いに同類と認識しあう個体の集合であり、形態・生態などの諸特徴の共通性や分布域、相互に生殖が可能であることや遺伝子組成などによって、他種と区別しうるもの。生物種。いくつかの特徴により、さらに亜種・変種・品種に分けることもある。化石についてはさらに時間の経過に伴う変化(すなわち進化)を加味して定義し、進化学的種という」。

遺伝子の多様性

「遺伝子」レベルの多様性とは、同一「種」内の同一「遺伝子」にいくつかの「型」が存在することをいう。この遺伝子の多様性こそ、環境の変化に対する適応からさらには種の分化まで、生物進化の原動力となっているものである。

ここで遺伝とは、親から子、そして孫へと世代間を受け継がれていく情報のことをいう。この遺伝情報によって、姿・形といった親の形質は、そのままそっくり何世代にもわたって受け継がれていくことになる。

遺伝情報の本質は、DNA(デオキシリボ核酸、deoxyribonucleic acid)にある(一部ウイルスではRNAの場合あり)。DNA上に存在する種々の遺伝子によって、親の形質が次世代へと受け継がれていくのである。このとき、遺伝子の多様性(型の存在)は種の活力を保つために大切な要素となっている。

遺伝子の多様性(ブナの場合)

ブナの場合、風媒花ではあるが自家受粉はしない。それにもかかわらず、ブナ花粉の飛散能力は低く(約30m、最も遠くてせいぜい70~80m)、ブナ集団が少しでも分断されると、隣の集団と遺伝子の交換をすることが難しくなる。

遺伝子の多様性は急激に失われ、集団サイズはどんどん小さくなっていく。それは、やがて絶滅につながることを意味する。各地の大小ブナ集団について、一本一本の木ごとに遺伝子解析を行った結果は、そのことをはっきりと示している。(河野昭一先生ご講演)

生態系の多様性

地球上の生物は、それぞれが単独で生息しているわけではない。ある一定の環境ごと、すなわち気候条件を中心として地形や地質などの環境ごとに適応した多様な「種」が、互いに共生しあう関係にある。

そして、森林の生態系、里山の生態系、草原の生態系、湿原の生態系などそれぞれの生態系を形成している。

つまり、それぞれの「種」は、環境の異なる生態系ごとに棲み分けをしている。「生態系」レベルの多様性とは、さまざまな生物の相互作用から構成されるさまざまな生態系が存在することをいう。