シンポジウム「細見谷渓畔林の保全に向けて」

投稿日:2018年6月26日 更新日:

以下、整備中です。

**はじめに [#w8e5d51c]

2004年11月28日(日)、単独
シンポジウム「細見谷渓畔林の保全に向けて」
廿日市市商工保健会館 交流プラザ、13:00~16:30
(廿日市市本町5-1 → 旧市役所 跡地)

主催:廿日市・自然を考える会 共催:広島フィールドミュージアム
協力:森と水と土を考える会、細見谷流域研究者グループ

プログラム
12:30 開場
13:00 開会
(総合司会)廿日市・自然を考える会
13:05 大規模林道中止要請の署名提出その後
(報告)廿日市・自然を考える会
13:20 最新の細見谷調査報告
(講師)金井塚 務
14:00 休憩
14:15 パネルディスカッション「細見谷の保全に向けて」(司会)安渓 貴子
(パネリスト)河野 昭一、安渓 遊地、金井塚 務
(質問)廿日市・自然を考える会
16:00 質疑応答
16:30 閉会

パネリスト
・河野 昭一:京都大学名誉教授、日本生物多様性防衛ネットワーク代表委員、       日本生態学会細見谷要望書アフターケア委員、植物生態学
・安渓 遊地:山口県立大学教授、日本生態学会自然保護専門委員、人類学
・金井塚 務:広島フィールドミュージアム会長、日本生態学会細見谷要望書アフターケア副委員長、哺乳類生態学
パネルディスカッション司会
・安渓 貴子:山口県立大学非常勤講師、日本生態学会細見谷要望書アフターケア委員、植物学

パネリスト(当初出席予定であったが所用のため欠席)
・高木 丈子:環境省 自然保護局 山陽四国地区自然保護事務所 自然保護官

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細見谷渓畔林に対する林道工事(既設の十方山林道を全面舗装化、一部新設)の影響を検討するため、事業主体の緑資源機構は、2004年6月4日、動植物研究者5名による「環境保全調査検討委員会」を発足させた。今日まで既に3回の会合を実施しており、今年度中(来年3月)には結論(来年度工事着工)が出される模様という。そうした状況の中でシンポジウムは開催された。

以下、河野先生、金井塚先生や安渓先生の今日のお話を中心に、Web作者なりに覚え(メモ)として簡単に書き留めておく。 ただし、けっして講義録ということではない。

会の進行は、まず、主催者から署名提出その他報告、金井塚先生の細見谷最新調査報告があり、その後、パネラーとして、河野先生による細見谷の持つ意義、安渓先生による流域の思想と続き、最後に、会場(フロアー)との質疑応答という形で進められた。なお、高木 丈子自然保護官は所用のため欠席。

当日の出席者の一人である、”守れ!十方山林道”さんは次のように書いている。
「ぼくらの川のブナの森」掲示板(投稿日:2004/11/29(Mon) 23:41 No.287)
http://www.aki-kaeul.com/bokubuna/bbs/petit.cgi

<参加者も多く、国会議員、市会議員、釣り人、元教員の方々に加えて、環境保全調査検討委員会の波田教授と日比野氏(?)まで参加されて意見を述べられたのにはビックリしました。>

ところで、環境保全調査検討委員会(緑資源機構)では、「林道工事の実施に伴う影響の予測・評価及び保全措置を、専門的・学術的な見地から」果たして真剣に検討しているのであろうか。

このことに強い疑問を感じている金井塚務(広島フィールドミュージアム会長)さんから、環境保全調査検討委員会各位に対する公開質問状を送付する用意がある(今日の講師を含めた5名の連名)ことが示され、多数の賛同が得られた。

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細見谷の渓畔林は、西南日本に唯一残された落葉広葉樹林として、客観的にすぐれたものである。それは、かけがえのないものであり、手をつけてはいけない自然である。立場の違いを超えて守るべき、という価値観を共有したい。

細見谷渓畔林では、数多くの樹種が入れ子状態で存在している。生物多様性に満ちた空間だ。しかし、細見谷渓畔林の範囲は決して広いとはいえない。これ以上手を入れて分断されると、遺伝子の多様性は急速に失われてしまい、渓畔林は消滅してしまうだろう。

今年の夏から秋にかけて、全国的にクマ(ツキノワグマ)の出没が相次いだ。その大きな原因として、度重なる台風の影響で、クマの食糧となる種々の植物が甚大な被害を受けたことがあげられる。例えば例年であれば、細見谷のクマの食糧(10月頃)は次のようなものとなる。それが台風で大打撃を受けた。

液果類(サルナシ、ヤマブドウ、ミズキ、ヤマボウシなど)
堅果類(クリ、ドングリ-ミズナラなど)

しかしながら、クマが人里に出てくるようになった根本的原因は他にある。すわわち高度成長期に、落葉広葉樹林を切り払ってスギやヒノキの人工林に置き換えたためだ。そのためドングリを始めクマの食糧源は、元々近年は大きく減少していたのだ。西中国山地もその例外ではない。

ところが、西中国山地のツキノワグマ分布域は年々拡大しつつある。これは、頭数が増えたというよりも、生活環境の悪化に伴って、クマの生息域が拡散しつつあることを意味している。

ツキノワグマがゴギを食べると言う事実がとうとう発見された(金井塚さん)。古老の話として、実際にそのような現場を目撃したことがあると、言い伝えられてきたことであった。細見谷の豊かな自然環境を取り戻すことによって、ドングリなどの植物性食糧に加えてゴギが増えるならば、そしてクマがそれを食べるとするならば、クマの食糧事情は大きく改善される。わざわざ人里まで進出するクマはいなくなるはずだ。

細見谷の自然環境を改善することは、クマの生活環境を守ることにつながる。そして、そのことは人類の将来を守ることに繋がっている。クマの生存できない自然環境の中で、ヒトだけ生き残ることはあり得ない。細見谷渓畔林は、「西中国山地に豊かな自然を取り戻す核」として非常に大切な場といえよう。

細見谷川は太田川の源流にあたる。広島の水道水は、その太田川を主な水源としている。十方山林道問題は、ひとり廿日市市だけの問題ではなく、広島市民にとっても自分達自身の問題なのだ。太田川流域として一つに繋がっていることを忘れてはならない。

1987年11月06日
白神山地(青秋林道建設の見直し発言)北村正哉・青森県知事
(ただし、正字は”哉”の”ノ”なし)
2000年07月20日
中海干拓(本庄工区の事業凍結意向)澄田信義・島根県知事

フジタ広島県知事は、細見谷渓畔林の保全(十方山林道問題)に関して、どのような認識をもっているのであろうか。

-未分類

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