1991年(平成3)の活動記録

投稿日:2018年6月23日 更新日:

事務局体制を整える

懸案の事務所を開設する

本年早々に、懸案であった事務所(略称:森水事務所)を開設(1/27)しました。そして、事務局に事務が常駐する体制(2/13)を整えました。

事務3名が曜日ごとに交代で11時から16時まで詰めるというもので、初期の事務局メンバーは、いずれも会員の大森充さん、岸本久美子さん、藤井純子さんの3名です。

なお、森水事務所は、その後「森と水と土を考える会」はもちろんのこと、「環瀬戸内海会議」や「広島県ゴルフ場問題連絡会」、さらには「デポジット法制定ネットワーク広島」などの事務局として活用されていくことになります。また「チェルボナ・カリーナ」コンサートなど、そのほかの組織との協闘でも大いに利用されました。

会報の題字が丸木位里書に変わる

森水会報の題字が、今年7月号から丸木位里さんの書に変わりました。丸木位里さんは、『原爆の図』(丸木位里・俊夫妻)などで有名な世界でも指折りの水墨画家です。丸木ご夫妻には、昨年10月に開かれた反原発の祭り「土・水・空気を生かしん祭」でご講演をいただきました。そして、そのことがきっかけで、揮毫していただけることになったのです。

十方林道関連

ゴミ集めや現地観察会(小型サンショウウオ)など

今年はまず、「クリーンWalkイン十方林道」(6/9)で、十方山林道を散策しつつ林道周辺で大量のゴミを集めました。さらに、小型サンショウウオについて、2回連続の勉強会(市民講座、7/26、8/21)を行い、引き続いて現地観察会(8/25)を実施しました。

後の学術調査報告書「細見谷と十方山林道(2002年版)」につながる動きの芽生えと言えます。理科教師の会から「一緒に学びたい」と賛意がよせられるとともに、マスコミ5社から後援をいただきました。勉強会には高校生が数名参加してくれました。

ゴルフ場建設問題

公開質問状の提出や立ち木トラストなど

広島県ゴルフ場問題連絡会として、広島県に公開質問状を提出(2/13)しました。また、「環瀬戸内海会議」の一員として、立ち木トラスト札かけ活動を続けています。さらに、「ゴルフ場問題全国連絡会」(10/26~27、福島県いわき市)では、森田修さん(森水会員)が発表の機会を得ました。

美術展開催や松枯れ農薬空中散布について

美術展「ペーパーワーク21ひろしま展」を開催する

今年のビッグイベントとして、牛乳パックから生まれた新しいペーパー(ニューパピルス)による作品展を開催し、成功裏に終わりました。(ペーパーワーク21ひろしま展)

牛乳パックの再生紙を用いた美術展という新しい試みです。美術家の方々に作品を提供してもらい、行政や企業の協賛を得て実現したものです。

そもそもの発端は、大阪の4人の主婦が「森林よみがえれ!」の願いのもと、関西在住の一流現代美術家18名(20作品)の協力を得て、昨年11月に大阪で開催された美術展で、当時全国巡回中のものでした。ひろしま展では、広島県内の美術家19名にもご参加いただきました。

再生紙は、「水俣浮浪雲(はぐれぐも)工房」(熊本県水俣市)ですいてもらいました。前処理として、牛乳パックからビニールコーティングをはがすなどの作業が大変でした。

なお、「森水の会」のスタンスとしては、牛乳パックの再利用を積極的に押し進めるものではありません。牛乳パックから再生紙を作るよりも、牛乳パックそのものの使用をなくすのが一番と考えています。本当のリサイクルとは、再利用よりも再使用のシステムを確立することにあると考えます。

松枯れ農薬空中散布について考える

松枯れ農薬空中散布をめぐる問題について、「廿日市の空中散布に反対する会」代表の青野健二さん(森水の会会員)たちと協力して、各種調査を行いました。

それとは別に、福田・馬木地区(広島市東区)在住の山口裕子さんは、農薬測定用ろ紙を自宅近くの空散地域の周辺に設置して、独自に調査を行いました。

山口さんの測定では、検体の全てでスミチオンが検出されました。これは、空中散布された農薬が、定められた範囲を越えて飛散することを示しています。(その後、当該地域での空散中止)

ところで、農薬空中散布による農薬の拡散懸念は、空中だけにとどまりません。地面に落下した農薬が、地下水などを通して拡散することも考えられます。

さらには、そもそもマツ枯病の原因は、ほんとうにマツノザイセンチュウ(そしてそれを媒介するマツノマダラカミキリ)なのでしょうか。大気汚染による酸性雨の影響など、そのほかの原因は考えられないのでしょうか。

農薬の空中散布は、今でも全国各地で継続して行なわれています。それが、科学的根拠に基づいた有効な手段であるのかどうか、学会での真摯な討論の積み重ねを期待するものです。

余り物

なお、ゴルフ場問題全国連絡会(福島県いわき市)で発表の機会を得た森田修会員の印象として、「(連絡会での他団体の発表は)対行政、調査研究が主流で、自然破壊の主が私たち自身である、という観点からの発言があまり聞かれなかった。森水の「十方林道」に対する取り組みの視点からすると少し違うな」という感想を述べています。

長野県上田市では、つい最近、空散中止の措置を取りました(新聞各紙2009年5月14日付け)。農薬散布が人体に悪影響を及ぼす可能性について懸念した結果であり、信濃毎日新聞(2009年1月28日付け)では、その経緯について次のように報道しています(「」内引用)。

長野県厚生連佐久総合病院(佐久市)の調査結果によれば、「上田市が松くい虫対策で農薬を空中散布している場所に近いほど、頭痛やのどの痛みを訴える人の割合が高い傾向にある」として、同病院では上田市に農薬空中散布の中止を申入れました。

1991年年表

-1月27日(日)、事務所開き
広島市西区天満町9-8 白土ビル1階
2月13日から事務3名が交代で詰める
-2月13日(水)、ゴルフ場問題について、公開質問状を広島県に提出、広島県ゴルフ場問題連絡会(会長・原戸祥次郎)
-2月23日(土)24日(日)、環瀬戸内海会議・福山集会(広島県)
隣の笠岡市(岡山県)で立ち木トラスト
-3月20日(水)、「十方林道拡幅」工事について、広島県(林務部)や森林公団と話し合い
-5月11日(土)、農薬空中散布学習会
講師/中根周歩さん(広島大学助教授)「何が松を枯らしたのか」
酸性雨の測り方
主催/農薬の空中散布に反対する市民の会
(廿日市市串戸公民館、広島県廿日市市串土)
-5月18日(土)環瀬戸内海会議発足1周年(愛媛県松山市)
引き続き翌日行事へ
-5月19日(日)、第5回ゴルフ場問題全国交流集会(愛媛県松山市)
–基調報告/藤原信さん(宇都宮大学)「今なぜリゾート開発による国家的事業か」造船鉄鋼などを助けたリゾート法
–基調報告/佐藤誠さん(熊本大学)「リゾートでまだまだ続く農村つぶし」儲からないリゾートより田園ホリデーを
–開発阻止から代替案づくりへ
岐阜県山岡町(けいしょう(警鐘・景勝・継承)の森)、広島県上下町(なばランド)、愛媛県中島町(有機の里)、島根県大東町(生涯学習林)
主催/ゴルフ場問題全国連絡会
-6月5日(水)、松枯れ農薬空中散布について、広島市林業耕地課と交渉、広島市長あて農薬空中散布中止要望書提出
連名/「森水の会」と「カトリック正義と平和広島協議会」
-6月9日(日)、クリーンWalkイン十方林道
十方林道散策、林道周辺でゴミを集める
-6月10日(月)福木地区(空散予定地区)14か所で、ろ紙設置のお願い
-6月15~16日(土・日)、「百姓や」開店
-6月25日(火)、ゴルフ場開発について、広島市都市整備局長との交渉(広島市役所)
-6月30日(日)、結成一周年記念パーティ(広島県加計町)
-7月26日(金)、学習会(第1回)小型サンショウウオの生態
講師/宇都宮妙子さん(両生類研究家)
(広島市西区民文化センター、広島市西区横川新町)
-7月30日(火)、公開質問状(ゴルフ場問題)に対する回答、広島市から(平成3年7月30日付け(広市公第116号))
-8月21日(水)、学習会(第2回)小型サンショウウオの生態
講師/宇都宮妙子(両生類研究家)
(広島市西区民文化センター、広島市西区横川新町)
-8月25日(日)、観察会「十方林道に小型サンショウウオをたずねて」
指導/宇都宮妙子・泰明先生
(十方林道沿いの横川川・細見谷川支流)
-8月26日(月)~28日(水)、連続講演会など
講師/山田国広(関西水系連絡会)
主催/広島県ゴルフ場問題連絡会(会長・原戸祥次郎)
26日広島県新市町公民館、27日沼田川水質調査、夕方山県郡、28日千代田町
-9月12日(木)、環境監視研究所(大阪市)の分析結果届く
すべての検体でスミチオン検出
-9月23日(月・祭)、シイタケ刈り
-10月5~6日(土・日)、環瀬戸内海代表者会議、周防大島トラスト
-10月13日(日)、十方林道を上から見る会
下山橋(十方山林道を車で移動)~下山林道東終端部~南尾根コース~十方山山頂~シシガ谷コースを十方山林道まで下る
-10月18日(金)、ジョイントトーク、田島征三、河野美代子の各氏
「いのちを描く、いのちを育む」
主催/祭りを作る会
(広島市西区民文化センター、広島市西区横川新町)
-10月26日(土)、中電前の座り込み
-10月27日(日)、土・水・空気を生かしん祭(広島城址公園)
-10月26日~27日(土・日)、ゴルフ場問題全国交流集会(第6回)福島県いわき市
-11月2~3日(土・日)、NABA祭り(広島県上下町)
-11月10日(日)、11月例会(牛田山にて)
コース1、神田山荘から直接牛田山へ
コース2、二葉山から縦走(3時間くらい)
-11月16日(土)、シンポジウム「牛乳パックから見えてくるもの」
(広島市西区民文化センター、広島市西区横川新町)
-11月20日(水)~11月25日(月)、ペーパーワーク21ひろしま展
主催/「ペーパーワーク21 ひろしま展」実行委員会
代表/狩野美紀子(森水会員、ちぎり絵出展予定)
事務局/森と水と土を考える会
(天満屋8階催物会場の一部、使用料無料、広島市中区胡町)
-11月19日(火)20日(水)、森と自然を守る全国集会(第3回)奈良市
「原生林・ブナ林保護と林道問題」の分科会、「林道問題」で報告(森田修会員)
-12月1日、福富町でシイタケの原木作り
-12月7~8日(土・日)、環瀬戸内海会議役員会(兵庫)、山と島と都市のつどい
-12月15日、事務所掃除&忘年会

井手さん講演があるはず、会報12月号に「テープ起こしをした」とある

そのほかの資料など

-報告集「ゴルフ場開発による河川の底生動物への影響について」
八幡川と吉和川の実地調査報告
小川博夫会員
-中国新聞「広場」(1990年6月7日付け)、山口裕子会員
農薬空中散布中止を、自然破壊する農薬空中散布
主婦山口裕子56歳(広島市東区福田)

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