1992年(平成4)の活動記録

投稿日:2018年6月23日 更新日:

「広葉樹による不伐の森」構想
- “西中国山地ブナの森づくり”に向けて -

西中国山地ブナの森づくり

「広葉樹による不伐の森づくり」構想は準備中

森水の会では、昨年「広葉樹による不伐の森(継承の森)づくり」構想を打ち出しました。発案者は原戸祥次郎さんです。ところで、なぜ広葉樹の森なのでしょうか。針葉樹ではだめなのでしょうか。

私たちは、西中国山地の広葉樹の森こそ、太田川の水の豊かさ(質・量ともに)の源であると考えています。今の太田川は病んでいます。現在よりもはるかに豊かだった太田川の恵みを取り戻すためには、スギ・ヒノキといった針葉樹の植林(拡大造林)を行う前の広葉樹の豊かな森を復元する以外に道はありません。

そして、そのことを実行するのは、太田川の下流に住み、その恩恵を受けている私たちに与えられた役割だと考えているのです。

写真展「私の十方林道」(西中国山地の自然をたずねて)

今年は、広葉樹の森づくりについて、具体的には何の活動もできませんでした。しかし、年明け早々(1/17~25)、写真展「私の十方林道」(西中国山地の自然をたずねて)を開催しました。34人の方から100点の出品があり、入場者数1970人でアンケートも162通いただきました。

写真展の最終日(1/25)には、田中幾太郎さんのセミナー「さまようクマ」を実施しました。112名の参加者があり、会場はあふれんばかりの熱気に包まれました。

十方林道を歩こう会や親子観察会など

十方林道を歩こう会(5/24)135名参加、十方林道親子観察会(8/1~2)25名参加などを実施しました。

大規模林道と法律について、弁護士さんの話を聞いて勉強(3/19)しました。行政に対して何かアクションを起こしたい、ただ単に何々に反対というレベルから、私たち自身の手で「状況を創り出す」取り組みが必要であると考えるようになりました。市民運動としての取り組み・提案にどこまで責任が持てるのか、今後の課題です。

ゴルフ場建設問題

環瀬戸内海会議(立ち木トラスト)

環瀬戸内海会議の一員として、本年も各地の立ち木トラスト札かけに参加しました。瀬戸内トラスト一万本達成記念(徳島県池田町黒沢湿原での百年トラスト札かけ、10/10~11)、山口県柳井市伊睦(11/1)、香川県直島(11/29)、広島県高田郡甲田町(12/20)などです。

福富町(広島県賀茂郡)でシイタケ栽培

福富町のゴルフ場問題で立ち木トラストを行っている方に可部田さんがいます。その持ち山のクヌギを当会で買い取り、シイタケを作って販売まで行う予定で、シイタケの「コマ打ち、菌打ち」(2/16)を行いました。なお、シイタケの原木は、昨年12月に切り出しておいたもので、実際にシイタケが取れ始めたのは、「コマ打ち」から3年後の1995年のことです。

朝日新聞記事(1992年2月22日付け)は、「コマ打ち」の時の同行記事です。作業を手伝った田万里正三さん(77歳)は、「竹仁の水を守る会」を結成してゴルフ場建設反対運動をしている方です。同記事の中で田万里さんは、「山の本当の使命を知ってもらいたいから、街の人も大歓迎」と話しています。マチとムラの交流のあり方について示唆に富んだお言葉です。

福富町のゴルフ場問題では、広島県に「賀茂郡福富町のゴルフ場開発平面図」の公文書公開を求めました(本年7月)。しかし、7月7日付けで却下されました。そこで、異議申立書を提出しました。さらに、立ち木トラスト札かけ(10/18)を行いました。

そうした中で、読売新聞(1992年7月30日付け)に「保安林”消えた”、広島・福富町のゴルフ場予定地」という記事が載りました。なんと、広島県福富町が、ゴルフ場建設予定地内にある保安林指定地を隣接の土地と合筆したため、登記簿上は建設予定地内に保安林が存在しないことになってしまったのです。

これら一連の手続きには、何らかの無理があったのでしょう。二年後の1994年に、当時の福富町長が事前収賄の罪で起訴されました。そして、当該ゴルフ場の開発は事実上ストップしました。

そのほか、広島県ゴルフ場問題連絡会として、三次市で集会を持ったり(7/26)、県議さんとの懇談会(11/17)を実施しました。

活発な会員活動

縁農(橋岡農場)や石けん作りなど

橋岡伸明さんの橋岡農場(口和町)では、田植え(6/14)、草取り(7/25)そして稲刈り(9/27)まで一連の作業のお手伝いをしました。そのほか、味噌作り(3/1)、豆腐作り(5/31)、苛性ソーダを使った石けん作り(7/18)、あるいはオルトケイ酸ナトリウムを使った石けん作り(12/11)などを行いました。さらに、宍道湖のシジミも販売しました。

会員の自主的な活動状況について

森水の会では、会員自らが積極的に先頭に立って、いくつかの活動を引っ張っています。

石けん作りでは、元石義己さん(西原暮らしを見つめ直す会所属)が講師を務めました。また、牛乳パックを使った手すきハガキ作り講習会(講師、狩野美紀子さん)が連続9回のシリーズ(3/18~12/4)で行われました。洗剤について考える試み(久保美恵子さん)もありました。

本年の会報(年10回程度、ほぼ毎月1回発行)には、石井出かず子さんの「中国山地のたたら」が全5回シリーズで掲載されました。石井出さんの後を受けて、原戸祥次郎さんの「包丁研ぎ」講座の掲載や実地講習が行われました。「リサイクル社会」よりも「使いきる生活」を提唱したものです。

また、会員が主宰する別の組織に、森水の会として協力することもあります。

例えば、二酸化窒素調査(青空モニター、3/7~8など)では、青野健二さん(松枯れと大気汚染を考える会代表)に森水の会として協力をしました。あるいは、講演会「家庭のなかの省エネルギー」(11/18)は、岸本久美子さん所属の「むらさきつゆ草の会」の主催行事です。

さらには、森水の会の外で意見を述べる場を与えられる会員もいます。本年は、森田修さん(3/21)、青野健二さん(3/28)そして小滝悦子さん(10/15)が、それぞれの場所で話をしました。

そのほか

写真展のセミナー講師の田中さんには、事前に手紙「「足柄山」のロマンを次代に」をいただきました。西中国山地を思う田中さんの温かい気持ちが伝わってくるすばらしい文章です。

1992年年表

-1月17~25日(金~土)、写真展「私の十方林道」-西中国山地の自然をたずねて-
(NTTインフォメッセ、広島市中区袋町)
-1月25日(土)、セミナー「さまようクマ」田中幾太郎さん(島根野生生物研究会)
(NTTインフォメッセ、広島市中区袋町)
-1月26日(日)、森と水と土を考える会、総会(第2回)
(観音本町集会所、広島市西区観音本町)
-2月11日(火)、環瀬戸内海会議、代表者会議(岡山県岡山市)
-2月16日(日)、シイタケ「コマ打ち(菌打ち)」(現・東広島市福富町)
-2月21日(金)、事務局会議、RCC取材(二酸化窒素調査、青空モニターについて)
-3月1日(日)、味噌作り初体験、「のら屋」にて
-3月2日(月)、NHK取材、ブナについて
-3月7~8日(土・日)、二酸化窒素調査(第1回一斉調査)
-3月15日(日)、「青空モニター」(3/7~3/8)の検査
(廿日市市中央公民館、広島県廿日市市天神)
-3月18日(水)、牛乳パックを使った手すきハガキ作り(第1回)廃物利用の小物作り
講師/狩野美紀子会員
-3月19日(木)、チョットお固い学習会「大規模林道と法律」石口俊一弁護士(森水事務所にて)
-3月21日(土)、森田修さん(森と水と土を考える会)講演
-3月28日(土)、青野健二さん(松枯れと大気汚染を考える会)講演
上記2件:団体会員「サイクル」さんからの呼び掛けに応じて、春のコミューン学校(当時・弥栄之郷共同体、現・有限会社やさか共同農場)にてマチからの提言を行う
-4月15日(水)、手すきハガキ講習会(第2回)
-4月17日(金)、洗剤について考えてみませんか(森水事務所にて)、講師/久保会員
-4月19日(日)、高木仁三郎講演会「危険!プルトニウム社会」
共催/プルトニウム・アクション・ヒロシマ、広島県原水禁
(労働会館4階ホール、広島市南区金屋町)
-4月19日(日)、酸性雨問題を考える講演会
講師/植村振作さん(大阪大学理学部)
主催/松枯れと大気汚染を考える会
(廿日市市中央公民館、広島県廿日市市天神)
-4月22日(水)、ポスト・ハーベストについて(「農の部会」)
「百姓や」の「土と野菜の会」と一緒に行う
-4月25日(土)、縁農
-4月26日(日)、上関原発予定地訪問
-4月29日(水)、「縁農」東広島の加藤さん
-5月11日(金)、洗剤についての学習会、森水事務所
-5月16日、17日(土・日)「松からの警告」を考えるシンポジウム
16日、松枯れ被害調査
17日、「松からの警告」を考えるシンポジウム
講演/佐々木富三さん「松枯れの原因はセンチュウか?」(元広島大学水畜産学部)
主催/松枯れ農薬空散反対広島県民会議
(三原福祉会館、広島県三原市城町)
-5月17日(日)、環瀬戸内海代表者会議
-5月20日(水)、手すきハガキ講習会(第3回)
-5月24日(日)、十方林道を歩こう会
三段峡葭ヶ原駐車場から横川までの林道
-5月27日(水)、松くい虫防除打ち合わせ会、広島県林務部との交渉
主催/土と野菜の会、農の部会
-5月30~31日(土・日)、ゴルフ場問題全国交流集会(第7回)静岡
主催/全国ゴルフ場問題連絡会
-5月31日(日)、料理講習会”豆腐作り”、とうふ亭ご主人指導
主催/農の部会(牛田公民館調理室、広島市東区牛田新町)
-6月7日(日)土・水・空気を生かしん祭(第4回)
(広島市西区民文化センター、広島市西区横川新町)
-6月13~14日(土・日)、環瀬戸内海会議総会(第2回)岡山
環瀬戸内海会議と全国湾会議の交流集会
海・私たちの関わり~源流からなぎさまで~
ゴルフ場・リゾート開発から見えてきたもの
6月13日(土)、環瀬戸内海会議二周年総会
基調講演/室田武さん(一橋大学教授)
各地からの報告(桃花苑二階大会議室、岡山県岡山市駅前町)
6月14日(日)、問題提起、討論
まとめ/山田国広さん(環境科学研究室)
(岡山市勤労者福祉センター本館四階大会議室、岡山県岡山市春日町)
-6月14日(日)、橋岡農場(口和町)にて縁農、田植え(手で植える)
-6月14日(日)、まちとむらをつなごう
試食会(パン、豆腐、牛乳など)、ビデオ(甦れ赤トンボ)、講演(広島の有機農業の現状)、主催/ポラン広場の八百屋「さいくる」
(広島市佐伯区民文化センター、広島市佐伯区五日市中央)
-6月17日(水)、手すきハガキ講習会(第4回)
-6月19日(金)、洗剤についての学習会、久保会員(森水事務所にて)
-6月20日(土)、原田正純さん講演会
共催/広島労働安全衛生センター、森と水と土を考える会
(広島市東区民文化センター、広島市東区東蟹屋町)
6月21日(日)、原田正純さんを囲んで
-6月27日(土)、試写会(本番10/9)、新潟水俣病「阿賀に生きる」
-7月12日(日)、森と水と土を考える会設立2周年行事(広島県佐伯郡吉和村)
-7月15日(水)、手すきハガキ講習会(第5回)
-7月18日(土)、プリン石けん作り、天満町「のら屋」にて
講師/元石義己会員
共催/森と水と土を考える会、土と野菜の会
-7月22日(水)、包丁研ぎ講習会、講師は原戸祥次郎さん
-7月25日(土)、橋岡農場(口和町)にて縁農、田の草取り
共催/森と水と土を考える会、土と野菜の会
-7月26日(日)、広島県ゴルフ場問題連絡会(三次市山家)
-8月1~2日(土・日)、十方林道親子観察会
(戸河内町牛小屋高原キャンプ場)
-8月19日(水)、手すきハガキ講習会(第6回)
-8月30日(日)、市島ディ・キャンプ
-9月16日(水)、手すきハガキ講習会(第7回)、狩野会員
-9月18日(金)、せっけん井戸端会議、久保会員
-9月23日(水)、ワークショップ:会の活動の様子を写真展示
主催/ヒロシマ女性会議(エソール広島、広島市中区富士見町)
-9月27日(日)、橋岡農場(口和町)にて縁農、稲刈り
-10月9日(金)、映画上映会「阿賀に生きる」(新潟水俣病)
主催/祭りをつくる会
(広島市西区民センタースタジオ、広島市西区横川新町)
-10月10~11日(土・日)、瀬戸内トラスト一万本達成記念、黒沢湿原マツタケツアー
主催/環瀬戸内海会議
10月10日(土)、記念集会/飛べ さぎそう!
南修治、小室等、田島征三の各氏
(マナヅル文化ホール、懇親会-政海旅館、徳島県池田町)
10月11日(日)、黒沢湿原、百年トラスト札かけ
-10月15日(木)、トークラン
-広島に生きる-いま、いのちの話をしよう
発表者8名(一人15分の話)、小滝会員発表
主催/祭りをつくる会
(広島市西区民センターC会議室、広島市西区横川新町)
-10月18日(日)、トラスト札かけ(広島県福富町)
-10月23日(金)、石けん井戸端会議
-10月24~25日(土・日)、原発いらん!「土・水・空気を生かしん祭」
(広島城址公園、広島市中区基町)
-11月1日(日)、トラスト札かけ(山口県柳井市伊睦)
-11月7~8日(土・日)、リゾート・ゴルフ場問題全国交流会(第8回)
「森は海の恋人」南の島々から”ストップリゾート乱開発”
11月7日、山下弘文さん(諫早干潟緊急救済本部代表)の講演「自然を生かした町づくり」
主催/リゾート・ゴルフ場問題全国連絡会
(桜島町公民館、鹿児島県桜島町)
-11月8日(日)、人と樹セミナー「森林の手入れと炭焼き」
主催/人と樹セミナー(土師ダム・千代田湖北東)
-11月13日(金)、せっけん井戸端会議、久保会員
-11月14日(土)、地球市民「ヒロシマから世界へ!」地球市民が世界を変える(NGO活動について)
主催/広島・地球市民セミナー準備委員会、NGO活動推進センター
(ひろしま国際センター交流ホール、広島市中区中町)
-11月15日(日)、丁川流域会議
清流丁川 -人が輝く、川が息づく、里がよみがえる-
共盛老人集会所(旧酒森小学校)、広島県山県郡豊平町
主催/丁川流域会議
-11月17日(火)、ゴルフ場開発について、県議さんとの懇談会
主催/広島県ゴルフ場問題連絡会
-11月18日(水)、手すきハガキ講習会(第8回)
-11月18日(水)、家庭のなかの省エネルギー
講師/脊尾幸子さん(福山、風車の会)
主催/むらさきつゆ草の会(岸本久美子会員所属)
(広島市三篠公民館、広島市西区打越町)
11月22~23日(日・月)
縁農/柳井市平郡島(鈴木さん)、ミカン取り
-11月29日(日)、トラスト札かけ(香川県直島)
-11月29日(日)、プルトニウムを考える
講師/アイリーン・美緒子・スミスさん
主催は森水以外の組織
-12月4日(金)、手すきハガキ講習会(最終回)
森水事務所にて、狩野会員
-12月6日(日)、講演と記録映画
鳥山敏子さん「宮沢賢治と教え子たちから学んだこと」
映画「先生はほほーっと宙に舞った」
問い合わせ/ほうき星、ゆうがく舎
(広島市佐伯区民文化センター、広島市佐伯区五日市中央)
-12月11日(金)、石けん作り(オルトケイ酸ナトリウム使用)
-12月10~11日(木・金)、NO2測定(第2回)
-12月13日(日)、掃除&忘年会
-12月20日(日)、トラスト札かけ(広島県高田郡甲田町)

そのほかの資料など

-高木仁三郎「プルトニウムの恐怖」岩波新書(1981年)
-石川貞二、鈴木紀雄共著「合成洗剤は地球を汚す」日本消費者連盟(1989年)
-松枯れ農薬空散反対広島県民会議編纂「松からの警告」技術と人間 (1992年)
-『自然生活』編集部編「もうひとつの日本地図1992~1993」いのちのネットワーク
野草社(1992年)”森と水と土を考える会”が紹介されています

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